裏側矯正で後悔しないために知っておきたいデメリットとは?

歯並びが気になっていて歯列矯正したいけれど、矯正装置が目立ってしまいそう等の理由で踏み込むことができない方も多いのではないでしょうか?裏側矯正であれば、目立つことなく矯正治療をすることが可能です。裏側矯正とは何か、詳しく紹介します。

公開日:2024/09/19

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. 裏側矯正とは?
  2. 裏側矯正のメリット
  3. 裏側矯正のデメリットとは?
  4. 上の歯だけの裏側矯正はできる?
  5. まとめ

裏側矯正とは?

裏側矯正とは舌側矯正やリンガル矯正と呼ばれるものです。名前の通り、歯の裏側に装置をつけて矯正を行います。お仕事の関係で、ビジュアルが気になって矯正が受けられない方にも適しています。

ワイヤーでの治療ではあるものの、裏側であるため人知れず矯正治療が可能です。また、出っ歯や前歯に隙間ができてしまった開咬(かいこう)の場合は、表側矯正よりも円滑に治療を進めることができる可能性があります。

裏側矯正のメリット

裏側矯正には多くのメリットがあります。表側矯正と比較した上でのメリットもあれば、裏側矯正独自のメリットもあります。

裏側矯正というと、見た目が目立ちにくいイメージを強く思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、矯正を裏側で行うメリットはそれだけではありません。

機能的な面でも、裏側治療独自のメリットが存在しています。裏側矯正を検討する上でチェックすべきメリットを紹介します。

矯正装置が目立ちにくい

裏側矯正の最大のメリットが、「矯正装置が目立ちにくい」点です。矯正治療中も周りからの目線を気にせず、他人から気づかれることなく矯正治療を受けることができます。

食事を気にせず楽しめる

矯正装置は食べカスが詰まりやすいです。裏側に矯正装置があるため、基本的に相手側から物が詰まっても見えることは少ないので食事を気にせず楽しむことが可能です。

裏側矯正のデメリットとは?

裏側矯正にしようか悩んでいるけれど、後悔しないか不安でしょうか。不安を解消するために、デメリットを知りましょう。

裏側矯正は周囲から気づかれにくいといった大きなメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。

裏側矯正を始めても、矯正の途中で「やめたい」となってしまわないように、治療開始前にはデメリットに関してもしっかりとリサーチしておきましょう。

表側矯正よりも治療費が高くなる

裏側矯正のデメリットとして、表側矯正よりも治療費が高くなります。裏側矯正の場合、装置が基本オーダーメイドとなり、コストがかかってしまいます

また、裏側矯正は表側矯正よりも高度な技術と経験が必要なこともあり、治療費が高くなる傾向があります。

発音に影響が出る可能性がある

裏側矯正のデメリットとして、発音への影響です。歯の裏側に矯正装置が装着されることによって、舌が引っかかってしまい、スムーズな発音がしにくいと感じることがあります。

その中でも特に、「ザ行・サ行・タ行・ナ行・ラ行」の発音がしにくくなると言われています。しかし、時間の経過とともに慣れてきたり、トレーニングすることで慣れにくさが改善する場合もあります。

表側矯正よりも治療が長引く場合がある

裏側矯正の場合、症例によっては表側矯正よりも治療が長引く可能性があります。表側矯正とそれほど変わらない期間で終わるケースもありますので、一概に治療期間が長引くわけではありません。

歯磨きがしづらい

裏側に限らず、矯正中は歯磨きがしにくいと感じるでしょう。特に歯の裏側は見えにくく歯ブラシが届きづらい箇所です。

そのため、器具と歯の間に食べカスが挟まっていても気づかないといったことも少なくありません。虫歯や歯周病のリスクが上がる可能性もあるため、矯正期間中はしっかりとブラッシングをする必要があります。

上の歯だけの裏側矯正はできる?

噛み合わせなどの状態によりますが、上の歯だけの裏側矯正はできる可能性があります。全体的な歯並びはそれほど気にならないけれど、部分的な歯の乱れが気になるといったケースで、奥歯の噛み合わせに大きな問題がなければ、前歯6本だけの矯正を検討することも可能です。

上側の歯の表側に装着された矯正器具は目立ちますが、裏側矯正であればワイヤーでも人に知られることなく歯列矯正治療を開始することが可能です。

ただし状態によっては適応外となってしまうこともあります。裏側矯正が適応となるのか、まずは歯科医院で相談するようにしましょう。

まとめ

裏側矯正は外見を気にせずに治療ができるメリットがありますが、発音への悪影響が出る可能性や費用が高くなるなどのデメリットもあります。

裏側矯正を開始してから「やっぱり表側矯正にすれば良かった...」と後悔しないためにも、コストなのか、見た目なのか、発音への影響の有無なのか、ご自身が何を一番優先したいかを洗い出して検討しましょう。その上で歯科医院に相談されることをおすすめします。