歯科でエイジングケア!口のエイジングケアをしておきたい理由とは

年齢を重ね、そろそろ口元のケアに取り組もうと考えている人はいませんか。歯科でのエイジングケアにも興味がある人も、具体的にどんな内容か知らない方が多いかと思います。

エイジングケアにおいて、お口の中の状態を改善することは非常に重要です。今回は、歯科医院で行われている、エイジングケアの方法や、エイジングケアが効果的な6つのお口の老化の予防について、詳しく紹介しています。

公開日:2024/06/24

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生

国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. エイジングケアとは
  2. 歯科で受けたい3つのエイジングケア
  3. 口元は老化しやすい!?エイジングケアで改善したい6つのお口の老化
  4. まとめ

エイジングケアとは

エイジングケアは、アンチエイジング(加齢に抗う)と類似の意味でつかわれることが多いです。年齢を重ねる中でも、できる限り若さを保ち、健康で活力のある状態を維持します。
健康な人の健康維持が主な目的で、予防的な側面を持ち合わせている点も特徴です。

歯科で受けたい3つのエイジングケア

歯科医院で受けられる治療の中にもエイジングケアが存在します。具体的には、以下の3つです。

口の中から健康に悪いものを取り除く治療

細菌(プラーク)、歯石、虫歯治療などで使用されている重金属(アマルガムなど)を取り除くことは、お口や全身の健康を維持するうえで有益な効果が期待できます。

プラークや歯石は歯茎の炎症につながり、アマルガムやその他の合金は金属アレルギーの原因になります。将来的にお口の中の健康を保ちたい場合は、これらの物質を除去することが好ましいです。

歯や口元を整える治療

歯の色や形、歯並び、ほうれい線などを改善させれば、見た目の美しさの回復につなげることができることでしょう。心が豊かになったり、積極的に行動するなど、精神的な面でも若々しさを保つことにつながります。

歯の見た目はホワイトニングで着色を除去したり、歯列矯正によって歯並びを改善することが有効です。また、マッサージや表情筋エクササイズによって口元のしわやほうれい線を減らす試みも、口元の若さを保つために効果的です。

お口の機能(咀嚼・発音・嚥下)を維持する治療

歯並びや噛み合わせを整える治療は、咀嚼、発音、飲み込みといったお口の機能を改善することができます。噛んだり、話したり、笑ったり、飲み込む行為は、認知症を予防したり、若さを保つことにもつながります。

歯並びや噛み合わせが悪いと、特定の音が発音しにくくなったり、ものを噛み砕く機能が低下します。加齢に伴い、お口の中の状態に悪影響が出る事態を防ぐためにも、噛み合わせを良い状態に保つことが重要です。

口元は老化しやすい!?エイジングケアで改善したい6つのお口の老化

口元は老化が起こりやすい箇所であり、エイジングケアにおいて特に注意すべきポイントの一つです。具体的に気を配るべき点としては、主に以下の6つです。

歯が黄ばむ

年齢を重ねると歯のエナメル質が薄くなる一方で黄色い象牙質が厚みを増し、歯の色は濃くなり、歯が黄ばみやすくなります。歯の黄ばみは顔の見た目の老化にもつながるため、歯を白く保つことはエイジングケアといえるでしょう。

歯のホワイトニングによって黄ばみを解消して白い歯を取り戻すこと、日頃の歯磨きを丁寧に行ったり歯科医院でクリーニングを受けることも、白い歯を保つためには効果的です。

笑顔のときに歯が見えにくくなる

歯は年齢とともにすり減りやすく、歯の長さが短くなります。加齢で上唇がたるむことも影響し、笑顔を作った時に歯が見えにくくなります。

鏡の前で笑顔を作った際に、上の歯が見えるように笑う練習をすることによって、笑顔の際に歯が見えやすくなり、エイジングケアにもなります。また、歯科医院でセラミックを用いた治療を受けて、歯の見え方を改善してもらうことも選択肢の一つとなります。

スマイルラインが平らになる

スマイルラインとは、笑顔を作った時の上の前歯6本の先端と下唇のラインを結んだ線のことです。

加齢によって歯がすり減ると、このスマイルラインが平坦になりやすく、笑った時の若さが失われます。前歯の長さを調整することができれば、エイジングケアにつながるでしょう。

スマイルラインが平らになる

スマイルラインとは、笑顔を作った時の上の前歯6本の先端と下唇のラインを結んだ線のことです。

加齢によって歯がすり減ると、このスマイルラインが平坦になりやすく、笑った時の若さが失われます。前歯の長さを調整することができれば、エイジングケアにつながるでしょう。

歯茎が黒くなる

加齢の影響でメラニン色素の沈着が起こったり、長年使用していた歯の被せ物や差し歯などから金属成分が溶け出したりすると、歯茎が黒ずむことがあります。

歯茎のメラニン色素を除去する「ガムピーリング」を受けることで、歯茎の黒ずみを解消することができます。ガムピーリングは薬剤を歯茎に塗り、黒ずんだ歯茎の表面をはがして、ピンク色の若々しい歯茎を取り戻す方法です。

歯と歯の間に隙間ができる

加齢や歯周病の影響で歯茎は少しずつ下がっていきます。歯茎が下がる現象は「歯肉退縮」と呼ばれ、見た目のアンバランスさをもたらします。それだけでなく、歯と歯の間に隙間(ブラックトライアングル)ができることによって、老化して見えることにもつながってしまいます。

ブラッシングやフロスを用いた毎日のケア、歯科医院における定期的な検診やケア、栄養バランスを考えた食事、喫煙習慣の見直しなどにより、少しでも歯周病による歯肉退縮が進行しないよう注意してみましょう。

唇に張りがなくなりシワが増える、ほうれい線が目立つ

年齢を重ねると、徐々に唇の張りがなくなり、その周辺のシワが増えたりほうれい線が目立つようになり、顔が老けて見えます。

レジンを歯に盛り付ける「ダイレクトボンディング」や、歯の表面を少しだけ削って歯と同じ色の薄い板を貼り付ける「ラミネートベニア」などの手法により歯の厚みを増し、口周りを物理的にふっくらさせることで、できたしわやほうれい線が目立ちにくくなるかもしれません。*美容外科などで唇にお薬を注入してふっくらさせる方法の方が効果的です。

まとめ

歯科でのエイジングケアにおける3つの大きなポイントとして、「口の中から健康に悪影響があるものを取り除く」、「歯や口元の美しさを回復させる」、「噛み合わせを整えて機能改善を目指す」というものがあります。

歯科でのエイジングケアにおいては、患者さんの状況に合わせて適切な方法を選ぶことが最も重要です。歯科医院に足を運んでエイジングケアに取り組みたい場合は、まずは歯科医師に相談を行い、自分に合った方法を探ることをおすすめします。