ブラキシズム(歯ぎしり)の原因は?どんな症状が出る?

歯ぎしりを他の人から指摘された経験はありませんか?若しくは、朝起きた時になんとなく歯が浮いている感覚や顎に痛みやダルさを感じ「もしかして夜寝ている間に歯ぎしりしているかも?」と心配になったことがある方は少なくないのではないでしょうか。歯ぎしりには種類があり、音を立てるものと立てないものがあるため、自分自身はもちろん周囲からも気づかれにくいケースが多々あります。

ブラキシズム(歯ぎしり)の原因や症状をチェックしましょう。

公開日:2024/05/13

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. ブラキシズム(歯ぎしり)とは?原因は?
  2. ブラキシズム(歯ぎしり)の症状は?
  3. ブラキシズム(歯ぎしり)の種類は?
  4. グラインディング
  5. クレンチング
  6. タッピング
  7. ブラキシズム(歯ぎしり)でも矯正治療は可能?
  8. まとめ

ブラキシズム(歯ぎしり)とは?原因は?

ブラキシズム(歯ぎしり)とは、寝ている間や無意識的に上下の歯を噛みしめたり、すり合わせたりする悪習慣です。歯ぎしりの原因は主に睡眠障害やストレスと考えられています。

気づかない間に精神的なストレスが溜まり、歯ぎしりの原因になり得るでしょう。

ブラキシズム(歯ぎしり)の症状は?

ブラキシズム(歯ぎしり)は無意識のうちに行うことが多いです。ブラキシズム をしてないか、簡単にセルフチェックしてみましょう。

・頬の内側に噛んだような跡(白い線)がある
・歯や人工歯(被せ物)が割れる
・歯や人工歯(被せ物)が欠ける
・歯がすり減っている
・歯が浮いたように感じる
・歯が揺れているよう
・冷たい物を食べると歯がしみる
・顎に痛みやだるさを感じる
・顎が開きづらいなど
・肩こりや頭痛がある


上記が複数個当てはまると感じる場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。症状を放っておくと咬む力で歯周病が進む原因や顎関節症の発症原因にもなるでしょう。

単に歯ぎしりといって放置せずに、大切な歯や顎関節を守るために早めに対策しましょう。

ブラキシズム(歯ぎしり)の種類は?

ブラキシズム(歯ぎしり)は「グラインディング」、「クレンチング」、「タッピング」の3種類があります。同じ歯ぎしりではあるものの、「グラインディング」、「クレンチング」、「タッピング」の違いを知っていましたか?

歯ぎしりといえばギリギリと音を立てるだけと思われがちですが、種類によっては気づかれにくいタイプもあります。

グラインディング

グラインディングとは一般的にイメージされるギリギリと音を立てる歯ぎしりです。多いタイプで、無意識に音を立てて歯をすり合わせるため、家族や友人から就寝中に指摘されて気づくのが多いのではないでしょうか。

歯だけではなく顎関節も負担がかかるため、放置しておくと色々なトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。他の人から指摘されたらできるだけ早めに歯科医院に相談へ行きましょう。

クレンチング

クレンチングとは、上下の歯を強く噛みしめる(食いしばる)習癖のことを表します。何かに集中している時に出現しやすく、音を立てることがないため他人に指摘を受けることも少なく、症状が出るまで気づきにくいでしょう。

歯をギューっと強い力で食いしばっているため、クレンチングを続けていると歯が浮いているような感覚や頭痛などに見舞われる場合があります。

タッピング

タッピングとは上下の歯をカチカチと連続的に速く噛み合わせる習癖のことをいいます。まるで震えているかのように小刻みにカチカチと小さな音を立ててしまいます。

グラインディングやクレンチングと比べると起こりにくいです。さまざまな日常のシーンで出てしまう傾向が強いとされています。

ブラキシズム(歯ぎしり)でも矯正治療は可能?

結論からお伝えすると、ブラキシズムがある場合でも矯正治療は可能です。ただし、矯正器具の脱離や変形などにより噛み合わせや歯並びの予期出来ぬ変化のために矯正治療の遅延問題は起こりえます。ブラキシズムはストレスなどの精神的なものや睡眠の質の低下など、原因は、人それぞれです。いずれにしても、ブラキシズムは歯や周囲の組織に負担をかけるので、治療前後に関わらず気になる場合は担当医に相談しましょう。

まとめ

「歯ぎしりは放置していても大丈夫」といった認識は危険です。歯ぎしりを放置することが歯や顎への負担となり、歯をすり減らし、歯周病の進行や顎関節症発症リスクが上がることに繋がります。まずは簡単にセルフチェックしたうえで、該当するような項目が複数あれば早めに歯科医院で治療するようにしましょう。