歯並びは遺伝する?歯並びが悪い原因や改善方法を確認!

「自分の歯並びが悪いと、子供も同じような歯並びになるのでは?」
と心配する方もいるかもしれません。

歯並びは身体(骨格)の成長とともに中学生頃までには形成されるので、身体の成長同様に両親の遺伝するのではないかと考えますよね。

本当に歯並びは遺伝するものなのでしょうか。また、歯並びを改善する方法にはどのようなものがあるのか、解説していきます。

公開日:2023/09/11

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. 歯並びが悪い!タイプ別原因とは
  2. 歯の向きや高さが揃っていない
  3. 前歯が出っ歯になっている
  4. 歯に隙間が開いている
  5. 歯並びが及ぼす体への影響とは
  6. 虫歯や歯周病にかかりやすい
  7. 胃腸の負担
  8. 肩こり、頭痛の発生
  9. 顔が歪む可能性がある
  10. 歯並び(噛み合わせ)の改善方法とは
  11. 歯科矯正治療
  12. 歯科矯正治療+外科的治療
  13. まとめ

歯並びが悪い!タイプ別原因とは

歯並びの悪さは顎の大きさや歯の形など遺伝的な要因も考えられていますが、それ以外に子供のころからの生活習慣なども影響しているといわれています。

歯並びが悪くなる原因は3つのタイプに分けられます。

歯の向きや高さが揃っていない

1つ目は歯の向きや高さが揃わないため、ガタガタに並んでいるように見えるタイプです。

歯がきれいに並ぶためのスペースが顎になく、歯の向きや高さが揃わなくなります。顎が小さくなる原因としても挙げられるのが、食習慣です。現代の食生活では固いものを食べる習慣が減少し、顎が鍛えられず顎の成長が小さくなるとされています。

顎が小さいと歯の大きさとバランスがとれず、歯が並ぶスペースが足りなくなってしまいます。

前歯が出っ歯になっている

2つ目は上の前歯が前方に突出しているタイプです。

出っ歯になる主な原因として、指しゃぶりや舌で前歯を押し出すという癖があります。癖を治さないと、出っ歯が更に悪化することもあります。
また、口呼吸になると唇の力が弱くなり、上の前歯が前に傾斜して出っ歯になりやすいとされています。

歯に隙間が開いている

3つ目は主に前歯などに隙間ができるタイプです。

虫歯や事故などで歯が欠けたり失うと、周囲の歯が動いて噛み合わせが少しずつずれてしまいます。

歯並びが及ぼす体への影響とは

歯並びの悪さは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
どのように歯並びが健康に悪影響を及ぼすのか3つのポイントを解説します。

虫歯や歯周病にかかりやすい

歯並びが悪いと、歯が重なるところが磨きにくくなり、汚れが残りやすくなります。また、食べ物も挟まりやすくなるでしょう。

さらに、出っ歯などの悪い嚙み合わせ(不正咬合(ふせいこうごう))によって口呼吸が続くと、口腔内が乾燥し、お口の中を洗い流す唾液の自浄作用が弱まります。細菌が増殖する環境が作られてしまうと、虫歯や歯周病のリスクを高まり、口臭もきつくなるでしょう。

胃腸の負担

噛み合わせが悪いと食べ物をしっかり噛めなくなります。十分に咀嚼(そしゃく)できなくなると食べ物が大きいまま体内に流れ、顎や消化器官に負担がかかります。

肩こり、頭痛の発生

全身の筋肉は繋がっているため、体のバランスが崩れて姿勢が悪くなり、肩こりや頭痛を併発することもあります。

顔が歪む可能性がある

噛み合わせが悪くなると、左右どちらかの顎でばかり噛む癖がつきます。顔の左右の筋肉量に差が出てきて歪んでしまうでしょう。場合によっては顎関節症を引き起こすかもしれません。

※顎関節症になると、口を開けにくい、顎関節から音が鳴る、痛いなどの症状があります。

歯並び(噛み合わせ)の改善方法とは

歯並びを良くする治療方法としては、歯科矯正治療が一般的です。もし骨格に問題が生じている場合は、矯正治療に顎を動かす手術を併用します。

歯科矯正治療

矯正装置を装着して、歯に力を加えて動かす治療方法です。ワイヤーを使ったマルチブラケット装置や、マウスピース型矯正装置などが主に使われます。

ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できるのがメリットですが、表側に金属製のワイヤーやブラケットを歯に装着すると、口元が目立つのがデメリット。

一方、マウスピース型矯正装置は透明なプラスチックで作られ、装着しても目立ちにくいことがメリットです。しかし、歯並びの悪さが重度の症例には対応できない可能性があり、ワイヤー矯正を併用して治療しなければならないケースもあります。

歯科矯正治療+外科的治療

噛み合わせの改善に矯正治療だけでなく、顎の骨を動かす手術を併用することもあります。遺伝によって上下の骨格がずれていたりバランスが悪かったりする症例は、矯正治療だけでは改善が難しいこともあります。

外科手術で顎を削って移動し、噛み合わせを根本的に改善していくのです。噛み合わせが良くなるだけでなく、顔の見た目も良くなる可能性が高いです。

まとめ

歯並びの悪さは遺伝的要因が関係しますが、生活習慣も関係します。指しゃぶりや頬杖など、子供の悪習癖も関係するので、小さいうちから癖を矯正することで歯並びが改善する場合があります。

歯科医院によっては、子供の癖を直したりお口周りの筋力を鍛えたりするトレーニング(MFT、筋機能療法)を実施するクリニックもありますので、子供の歯並びが気になったら、まずはクリニックに相談しましょう。