ムーシールドで子供の受け口を矯正しよう

子供が受け口になっていることに気づいたら、やはり早いうちに治してあげたいものです。受け口は自然に治るケースもありますが、それはあくまで少数。気づいたらすぐに、幼少期に適切な治療を受けさせたほうが、将来的な不安はより小さくなります。

また、受け口には親からの遺伝的な要素も強いため、わが子にはイヤな思いをさせたくないと自己責任のように感じる方がいるかもしれません。そんな受け口の治療法の一つとして、マウスピースを用いた「ムーシールド」があるのをご存じでしょうか。

今回は、ムーシールドに関する基本情報に加えて、費用やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

公開日:2023/01/16

監修医師

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

ムーシールド

■目次

  1. ムーシールドとは?
  2. ムーシールドの費用は?
  3. ムーシールドのメリット・デメリットは?
  4. メリット
  5. デメリット
  6. ムーシールドでの治療期間は?
  7. まとめ

ムーシールドとは?

ムーシールド 子供

ムーシールドとは、子どもの受け口(反対咬合)の矯正治療に用いる装置です。装着するタイミングは主に就寝時で、舌や唇による歯への力のバランスを整えることにより、舌や周囲の筋肉を正しく機能させて歯を動かすことで、受け口を改善していくことが主な目的となります。

また、下顎のほうが上顎より前に来る状態が続いてしまうと、噛み合わせの問題により顎関節症になる可能性があり、身体の発育により下顎も発達し、外科手術を受けないと噛み合わせが改善されない危険性もあります。そうした事態を未然に防ぐためにも、身体の発育段階から矯正治療を受ける価値は大いにあると考えられます。

ムーシールドの費用は?

ムーシールドでの治療にかかる費用にはクリニックによりやや幅がありますが、およそ50,000~150,000円が相場かもしれません。加えて、装置などの調整料や、治療後の後戻りを予防するための費用などが、別途発生する場合もあります。

ムーシールドのメリット・デメリットは?

ムーシールド メリットデメリット

メリット

矯正治療といえば抜歯や外科治療が必要になることもありますが、ムーシールドを用いる矯正治療の場合は抜歯も外科治療も行いません。また、治療中の痛みも小さいという点も、子供には大きなプラスといえます。

ムーシールドを装着するのが主に就寝時であるため、日常生活に大きな支障を及ぼさずに治療を受けられることもメリットです。ワイヤーなどの矯正装置のように着けたら自分で外せないというわけではなく、食事や歯磨き、人前に出る時などに、都度取り外しができるところもメリットです。

デメリット

ムーシールドが適応できるの受け口のみです。効果が出やすいのは幼少期ですが、早い段階で治療を開始するのがポイントです。また、子供は矯正装置を長時間着用することを嫌がる傾向にあるため、途中で装置を外したり、装置を乱暴に扱ったりしないよう、しっかりと経過を見ていく必要があります。

幼少期に行う治療であるがゆえに、その後の身体の成長により再度反対咬合に戻る可能性もあります。ムーシールドだけで受け口を予防することは難しい、という点には、留意しておく必要があるでしょう。

ムーシールドでの治療期間は?

乳歯が生えそろう3歳から4歳頃までに治療を開始する必要があります。
受け口の改善にかかる時間そのものは、治療開始から数カ月から半年と言われています。

ですがそれ以降も後戻りしないように装着を続けていく必要があるため、全体の治療期間としては、およそ数カ月から1年程度となるのが一般的です。

まとめ

子供が受け口になってしまっても、3歳など早い時期に治療を受けることを決めればムーシールドが適応可能ということを覚えておきましょう。。永久歯に生え変わってからの治療に比べれば安価かつ短期間で済むうえ、歯を抜いたり顎を削ったりせずに済むという点は、子供の将来を考えるうえでも、大きな意味を持ってきます。

しかし、ムーシールドは受け口の矯正のみに使用されるものであり、用途はかなり限定されるという点を忘れてはなりません。現在の子供の年齢や、治療後も反対咬合に後戻りしていないかの定期的なチェックを受ける必要があることも念頭に置いたうえで、選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。

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