歯医者を引っ越しのタイミングで変えることは可能?転院するときの注意点

近年、年齢を問わず、歯列矯正をする人が増えてきました。子供はもちろんのこと、高齢者の方も歯列矯正を受けています。
ただ、矯正治療を開始後に引っ越しや転勤などの理由でかかりつけ医へ通えなくなってしまった、もしくは何らかの理由でどうしても転院したくなったというケースもあるでしょう。

結論、途中で転院することは可能な場合があります。しかし、“転院”はなるべくなら避けたい選択肢であり、どうしても転院せざるを得ない場合は、リスクや注意点を知っておく必要があります。

転院により考えられるリスクや、なるべくスムーズに矯正治療を引き継ぐためのポイントなどを解説しています。

公開日:2022/08/01

監修医師

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。
歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。
2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

目次

  1. 歯医者を引っ越しのタイミングで変えることになったら
  2. 引っ越しによる転院で考えられるリスク
  3. 引っ越し先で矯正治療をスムーズに引き継ぐために
  4. まとめ

歯医者を引っ越しのタイミングで変えることになったら

矯正治療をスタートしていても、途中で転院することはできますが、綿密で長期的な治療計画を立案して行う治療のため、なるべく現在のかかりつけの先生に継続的に診てもらうことが望ましいです。

引っ越し先で歯医者さんを選ぶポイント

引っ越し先に現在通院している歯科医院がグループでやっている場合、同じ系列の医院に転院することができる可能性が高いです。
治療方針や費用体系なども大きく変わらず、使用している器具も統一されていることも多いためです。

転院の際にどうしたら良いか迷う場合、現在の担当医に相談し、他の医院を紹介してもらうのもポイントです。

引っ越しによる転院で考えられるリスク

転院して担当医が交代すれば、治療方針や治療のゴール設定などが当初の予定から変更される可能性があり、治療期間・費用も変わるかもしれません。

矯正装置にも多くの種類があるので、転院先で同じ装置の取り扱いがない場合は、装置を外して新たに付け替えてから矯正治療を再開しなければいけないことも往々にしてあります。
その他、矯正治療開始時に交わした「保証」などは、転院すると無効になることが多いでしょう。

転院により、矯正器具の関係などで費用が多く発生し、治療計画の変更などで時間がかかる可能性があることは心得ておきましょう。

引っ越し先で矯正治療をスムーズに引き継ぐために

転院を決めた時点で、担当医に伝えてください。

歯列矯正に限らず、歯科治療は期間のかかる処置が一部あるため、区切りをつけることが困難なケースがあります。
いつまで通えるといった期間が明確になっていれば、区切りの良いところで引き継ぐことができます。

よりスムーズかつ正確に治療を引き継ぐために、紹介状やレントゲン画像を用意してもらうほか、治療計画や現状を共有してもらいましょう。

現在、日本矯正歯科学会という学会の会員になっている先生の歯科医院で治療をしており、転院もしくは治療中断となった場合は、学会の方針に基づき、精算や返金の対応がなされることがあります。

学会会員でなくとも、医院によっては治療費用について規定が設けられていることもあるため、転院時は費用についても確認をとっておきましょう。

すでに引っ越しを済ませ新しい歯科医院を探している最中の場合は、可能な限り早く歯科医院を受診しましょう。
治療途中な状態を放っておくと、状態が悪くなる可能性があります。

万が一紹介状・レントゲンといった資料が無かったとしても、早く受診することが重要です。

まとめ

転院後の矯正治療をできる限り当初の治療計画と変わらずに受けられるポイントは、新たな担当医と十分に意見交換することです。

転院前から現在のかかりつけ医に早めに相談し、協力をあおぐことがポイントです。
転院後は、新たな担当医としっかりと今後の治療について話し合いをしていきましょう。