監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開
矯正歯科の専門医ってなに？矯正歯科選びに役立つヒントをご紹介
マスクを付けての生活が当たり前になりつつある昨今ですが、これを機に矯正歯科を検討する方もいるようです。矯正歯科といえば、歯に取り付ける銀色のブラケットやワイヤーの装置が目立ってしまいますから、仕事中でもマスクでお口を隠せるのはたしかに好都合かもしれません。
しかし、いざ矯正歯科を受けられる歯医者さんを探そうとしても、どこで受けたら良いのか判断がつきにくいのではないでしょうか。
たしかに、矯正歯科の技術や経験というのは、一度も行っていない歯医者さんを見て測れるものではありません。しかし、誰でもわかりやすい判断材料もあります。それが、専門医の資格の有無です。
この記事では、矯正歯科の専門的な資格である専門医・臨床指導医（旧専門医）を中心に、矯正歯科を受けられる歯医者さんの探し方をご紹介します。
公開日：2022/03/14
目次
矯正歯科には専門的な資格があるのをご存知ですか？
矯正歯科は、年単位で歯を動かしていく治療です。精密検査で得られるさまざまなデータをもとに歯を動かすための治療計画を立てるため、知識と経験が必要になります。
ところが、歯医者さんであれば矯正歯科を実施することは可能なことになっています。虫歯や歯周病の治療を中心に行なっていて、矯正歯科の経験はほとんどないという歯医者さんでは、十分な矯正治療を施すことはできないかもしれません。しかし、患者さんからしたらそうした実績までは見えてこないため、どこで矯正歯科を受けたら良いのか迷ってしまうのは当然のことです。
そこで、治療技術の高さや実績を証明する専門的な資格があります。認定医や専門医です。学会によって審査基準や難易度は異なりますが、一定期間以上の治療経験を持ち、のさまざまな審査を通過することで資格が与えられます。
矯正歯科を希望する患者さんであれば、信用できる矯正歯科の認定医や専門医のもとで相談を受け、治療に臨みたいと思うでしょう。矯正歯科の資格は、歯医者さんの水準を高める目的だけでなく、患者さんが歯医者さんを選ぶ際の判断材料にもなるのです。
矯正歯科の専門医？臨床指導医（旧専門医）？
矯正歯科の代表的かつ専門的な資格として、「公益社団法人 日本矯正歯科学会」が運用している認定医・臨床指導医（旧専門医）の制度があります。
それぞれ、どのような審査基準で資格を得ることができるのか、主な項目をご紹介します。両者の比較でいえば、臨床指導医（旧専門医）の方が審査基準が厳しく、より高度な技術・実績が認められているということになるでしょう。
認定医
・5年以上継続して学会会員である
・指導医の下で5年以上矯正歯科に従事している
・学会誌への論文発表
臨床指導医（旧専門医）
・7年以上継続して学会会員である
・矯正歯科に関連する論文の発表
・学会の指定する10種類の症例を治療し、治療結果と予後判定が学会の基準を満たしている
歯医者さんのホームページで検索できる
こうした資格の有無は、どこで確認することができるのでしょうか。
歯医者さんのWEBサイトでは、ご自身のプロフィールにこうした資格の有無を記載していることもあります。気になる歯医者さんがあれば、WEBサイトのプロフィールなどをチェックしてみるとよいでしょう。
また、「公益社団法人 日本矯正歯科学会」のホームページでは、認定医や臨床指導医を検索するページも用意されています。都道府県別に検索をかけることもできるので、お住まいの地域を中心に探したいときには有効だといえるでしょう。
「公益社団法人 日本矯正歯科学会」認定医・指導医・臨床指導医を探す
まとめ
矯正歯科を選ぶ判断材料のひとつに、矯正歯科の専門的な資格の有無があります。ここで取り上げた「公益社団法人 日本矯正歯科学会」の認定医・臨床指導医の資格は、歯医者さんのWEBサイトで掲載されている可能性があるほか、日本矯正歯科学会のWEBサイトでも検索することができます。お住まいの地域などで調べたいときは、ご活用されてはいかがでしょうか。
この記事で、矯正歯科に対するあなたの不安が少しでも解消されたら幸いです。