出っ歯の原因は遺伝だけじゃない! 大人の出っ歯は自力で防げたり治したりできる?

出っ歯の原因であげられるものは、先天的な要因(遺伝)で、顔の骨格が原因の場合です。

上顎全体が前に出ている・下顎が上顎より小さく下顎が引っ込んでいる
などが骨格に起因する代表的な出っ歯の原因です。

遺伝が原因の出っ歯は、生まれつきのものなので生活習慣で予防、改善することは難しく、治す方法としては矯正治療が必要になります。骨格のバランス次第では矯正単独での改善が難しく、顎を動かす手術が必要な場合もあります。

公開日:2022/03/07  更新日:2022/09/26

監修医師

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

出っ歯の原因は遺伝だけじゃない! 大人の出っ歯は自力で防げたり治したりできる?

■目次

  1. 大人の出っ歯は遺伝が原因
  2. 大人が出っ歯になる2つの原因(癖・フレアーアウト)と対処法は?
  3. 原因① 大人が出っ歯になる日常の癖
  4. 原因② 大人の出っ歯(フレアーアウト)
  5. ひどい出っ歯が身体に与える影響
  6. 大人の出っ歯は日頃の癖の見直しと矯正治療で改善を

大人の出っ歯は遺伝が原因

大人の出っ歯は遺伝が原因

出っ歯の原因であげられるものは、先天的な要因(遺伝)で、顔の骨格が原因の場合です。

上顎全体が前に出ている・下顎が上顎より小さく下顎が引っ込んでいる
などが骨格に起因する代表的な出っ歯の原因です。

遺伝が原因の出っ歯は、生まれつきのものなので生活習慣で予防、改善することは難しく、治す方法としては矯正治療が必要になります。骨格のバランス次第では矯正単独での改善が難しく、顎を動かす手術が必要な場合もあります。

大人が出っ歯になる2つの原因(癖・フレアーアウト)と対処法は?

大人になってから出っ歯になる後天的な原因は主に2つに分類されます。

原因① 大人が出っ歯になる日常の癖

原因① 大人が出っ歯になる日常の癖

出っ歯は、日々の癖で引き起こされる可能性があります。歯ぎしりや食いしばりなど歯に力がかかりすぎることが原因で歯が動いてしまうことも。

その場合は、歯ぎしりや食いしばりを緩和させるマウスピース(ナイトガード)を検討してみましょう。

お子さんの場合は、指しゃぶり、舌で歯を押す、爪を噛むなどの日頃の癖は歯並びの異常を起こしやすいので親御さんが意識していくといいかもしれません。

原因② 大人の出っ歯(フレアーアウト)

原因② 大人の出っ歯(フレアーアウト)

フレアーアウトとは?
フレアーアウトとは、綺麗に並んでいたはずの歯並びが、年齢とともに徐々に前方に突き出ていき、出っ歯のような歯並びになってしまう症状です。痛みもなく非常にゆっくりと進行するため、30~40代になってから、前歯が出てきたと自覚するようになります。

フレアーアウトは大人になってから出っ歯になる原因としてよく挙げられています。

大人の出っ歯(フレアーアウト)の3つの要因

①歯周病
歯周病は、歯茎が下がり歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯周病になってしまうと歯の土台が不安定になるので歯がグラついてきます。そのまま日常生活を送っていると奥歯が抜けて奥歯で負担できない力が前歯にかかります。結果、前歯を前に突き出す力となり、フレアーアウトが起こってしまう場合があります。

歯周病が発生しやすい環境は歯と歯茎の境目などの場所で、清掃が行き届かず、歯垢や細菌が停滞しやすいです。

主な対策としては歯ブラシを使ったケアだけでなく、歯間ブラシやフロス、洗口液などを使って細部まで口内を清潔にしておくことが重要です。 もちろん、歯科医院での定期的なクリーニングや歯磨き指導も不可欠です。

②歯ぎしり
ストレスや習慣で歯ぎしりをしてしまう方も注意が必要です。

歯ぎしりは歯や顎に非常に強い負荷がかかるため、歯を前方に押し出してしまうフレアーアウトの原因になり得ます。特に就寝時に歯ぎしりをしてしまう方は、無意識下にて長時間の負荷をかけてしまう可能性もあるので、フレアーアウトのリスクが高いといわれています。

対策としては、ナイトガードと呼ばれる夜に装着するマウスピースが効果的です。

③歯並び、噛み合わせ
歯周病以外にも虫歯や歯の破折で奥歯を失ってしまい、歯を失ったまま放置してしまうと上下の前歯が強く当たるようになります。

結果、前歯が唇側に傾くことでフレアーアウトの原因に。
奥歯がない方、前歯で食べ物を噛む自覚がある方は注意しましょう。

*対策としては、奥歯を失ったまま放置せずに被せ物の治療を受けるために歯科医院に通院しましょう。

ひどい出っ歯が身体に与える影響

ひどい出っ歯が身体に与える影響

・口呼吸
前歯がでていると口が上手く閉じられない状態になり、口呼吸の要因になります。
口呼吸でのお口の中の乾燥により唾液量が減って、細菌が増えて口臭が悪化したり、歯周病に繋がる恐れもあります。

・食べ物を上手く咀嚼できない
噛み合わせが悪く、前歯で食べ物が噛み切れなかったり、片側の奥歯だけで噛むことが癖になってしまうと、既に悪い噛み合わせが更に悪化してしまう恐れがあります。
また上手く咀嚼ができないと、胃腸による消化に負担をかけます。

・滑舌が悪くなってしまう
歯が前側に出ていると下の歯との間に隙間ができるので、空気が漏れてしまい上手く発音できなくなってしまいます。

・顎関節症のリスクがある
前歯が大きく前に出るような噛み合わせの悪さは、顎全体に大きな負担がかかり、顎関節症の原因になるかもしれません。

・外見のコンプレックスになる
自分で前歯が出ている自覚があると、人前で話すことや笑うことに苦手意識を感じてしまいます。上唇が盛り上がってしまうので、横顔のEライン(鼻先から下顎の先を結んだ線)から唇が前に出て横顔が綺麗に見えにくくなってしまいます。

大人の出っ歯は日頃の癖の見直しと矯正治療で改善を

大人の出っ歯は日頃の癖の見直しと矯正治療で改善を

出っ歯の原因には習慣や歯周病による奥歯の喪失など後天的な原因もあることがお分かりいただけましたか?

今は綺麗な歯並びをしていても、日常の癖で歯並びや噛み合わせが悪くなってしまうこともあるかもしれません。
少しでもこの記事を読んで心当たりがある方は対処法の実践や歯科医院に相談してみてくださいね。

また、お子さんがいらっしゃる親御さんは、お子さんの将来の歯並びの為にも日頃の癖に注意を向けてみたり、場合によっては小児矯正を始めることをお勧めします。

出っ歯を放置しておくのは、精神的にも身体的にもよくありません。
出っ歯を改善するためにはやはり矯正治療が効果的です。
マスクをつけていて矯正器具が目立ちにくい今だからこそ、矯正治療を検討してみてはいかがでしょうか。

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