子供のマウスピース矯正! 効果やデメリットはある?

子供の歯並びがずれていたり、前歯に隙間がある場合は、矯正治療を考える必要があります。一口に矯正といってもいろいろな種類がありますが、子供に対してもマウスピースを使った矯正は可能なのか、という点が、気になる方もいるのではないでしょうか。

結論から言えば、子供の場合でもマウスピース矯正は可能です。ただし、幼少期のマウスピースを用いた治療には、その時期特有の注意点も存在します。今回は、子供に対するマウスピース矯正について、詳しく紹介していきます。

公開日:2021/12/13

監修医師

記事監修:古川雄亮

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開

子供のマウスピース矯正! 効果やデメリットはある?

■目次

  1. 子供のマウスピース矯正
  2. 要注意!子供のマウスピース矯正
  3. 子供のマウスピース矯正は効果ある?
  4. 子供のマウスピース矯正をするデメリットとは
  5. 市販の子供のマウスピース矯正
  6. まとめ

子供のマウスピース矯正

子供のマウスピース矯正

子供の場合は、昼間に約1時間、そして就寝中にマウスピースを装着することで、歯列の改善を図っていくのが一般的です。
基本的には、取り外し可能な装置を使用することになります。

マウスピース矯正の中には、子供を対象とした歯列矯正に有効なものも存在します。
具体的には、就寝時にのみ用いる「ムーシールド」、就寝時に加えて昼間にも短時間使用できる「T4K」です。
その他、10歳くらいまでの子供を対象とし、歯の周りの筋肉のバランスを整えて歯並びを改善していく「プレオルソ」といった矯正器具があります。

要注意!子供のマウスピース矯正

要注意!子供のマウスピース矯正

子供向きのアプローチでマウスピース矯正を行うのではなく、大人と同じような方法でマウスピース矯正を行っていく場合は、大きな注意が必要となります。

マウスピース矯正は大人の場合でもトラブルが起きる可能性のある治療法ですが、子供の場合、もっと重大なトラブルに発展する可能性があります。
幼少期は大人よりも生え変わりなどで歯並びが変わりやすく、顎そのものも成長期にあるため、矯正治療が失敗すると歯並びが乱れるだけでなく、顎の成長不良が起きてしまい、その後の対応が難しいものになるかもしれません。

加えて、治療中に永久歯に生え変わることもあるため、生えてくる歯の大きさを完全に予測することが難しく、治療計画を立てることも一筋縄ではいきません。
また、子供がマウスピースの装着を怠ることによって、治療計画にズレが生じる可能性もあります。

以上のように、大人とは治療の流れや必要な準備自体が大きく異なってくる可能性が高く、トラブルが起こった際のリスクも高くなりやすいため、最初から子供に適した治療法で矯正を図っていくほうが、より安全といえるでしょう。

子供のマウスピース矯正は効果ある?

子供のマウスピース矯正は効果ある?

個人差は存在しますが、幼少期のマウスピース矯正の効果はあります。
ただし、後に歯が生え変わっていくこともあり、現時点の歯列自体を完璧に整えるというよりは、顎の成長をコントロールしたり、舌の位置を適切な形に置く癖をつけることによって、歯並びを整えることが主目的となります。

子供のマウスピース矯正をするデメリットとは

子供のマウスピース矯正をするデメリットとは

子供の時期にマウスピース矯正を行うデメリットとしては、マウスピースを一定期間にわたってしっかりと装着しないと十分な効果が得られないため、子供自身が治療を投げ出さず、最後まで協力してくれることが必須となります。
加えて、子供がしっかりとマウスピースの装着を習慣づけられるよう、保護者の側でも子供を観察する必要があります。

また、仮に矯正が成功したとしても、その後の歯の生え変わりや成長に伴って、後に大人の矯正治療が必要となってしまう可能性もあります。歯が生え変わり、顎の骨の成長も終わる13~15歳前後まで待って始めれば矯正治療が順調に進む可能性が高くなります。

市販の子供のマウスピース矯正

市販の子供のマウスピース矯正

市販のマウスピースを用いた矯正は、費用の面では安く済みますが、歯科医師や歯科衛生士が実際に患者の歯並びを見てマウスピースを作成するわけではないため、非常に大きなリスクを背負うことにつながるかもしれません。

実際に矯正の効果が得られるかどうかも不透明な部分がある上に、そもそもマウスピースではなく他の治療法を採用すべき症状の患者さんであっても、自己判断でマウスピース治療を選んでしまう危険性があります。そういった場合は、当然ながら効果が得られないどころか、より危ない状態に陥ってしまう可能性もあります。

これまで紹介してきた通り、幼少期のマウスピース矯正は、専門医の治療をもってしてもリスクが生じるものです。子供の将来を案じるのであれば、安易に市販のマウスピースを用いて治療を行うのはやめたほうがよいでしょう。

まとめ

子供のマウスピース矯正は、大人のマウスピース矯正とはやや異なる部分があります。治療に伴うリスクも大人の場合よりも大きくなるため、慎重な治療計画と、患者さんに適したマウスピースの選定が必須となります。

また、子供のうちにマウスピース矯正を行うことで治せるタイプの歯並びや嚙み合わせもあれば、この時期での矯正では治すことのできないものもあります。歯科医院を受診して医師と相談し、判断を仰いだうえで治療を進めていくとよいでしょう。

今回の記事が、お子さんの歯列矯正の可能性を少しでも広げられるものとなっていたら幸いです。

【PR】フィリップス ソニッケアー
歯科専門家使用率NO.1

フィリップス・ジャパン

あわせて読みたい記事

メディア運用会社について

メディカルネット

株式会社メディカルネット(東証グロース上場)は、より良い歯科医療環境の実現を目指し、インターネットを活用したサービスの提供にとどまらず、歯科医療を取り巻く全ての需要に対して課題解決を行っています。

当サイト「矯正歯科ネット」を通して生活者に有益な医療情報を歯科治療の「理解」と「普及」をテーマに、自分に最適な歯科医院についての情報や、歯の基礎知識、矯正歯科などの専門治療の説明など、生活者にとって有益な情報の提供を目指しています。

矯正歯科歯科医院を探すなら「矯正歯科ネット」

矯正歯科治療を行なっている歯科医院を、全国から簡単に検索できます。お近くの矯正歯科歯科医院をお探しの場合にもぜひご活用ください。