顎関節症と歯ぎしりの関係

顎関節症と歯ぎしりの関係を解説します。

公開日:2019/10/01  更新日:2021/11/16

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目次

  1. 顎関節症とは
  2. 顎関節症の症状と痛みの理由
  3. 顎関節症と歯ぎしりの関係
  4. 顎関節症の原因のひとつ 「歯ぎしり」
  5. 歯ぎしりの原因と弊害
  6. 歯ぎしりと顎関節症の予防

顎関節症とは

顎関節症の症状と痛みの理由


顎関節症は顎の周囲が痛い、お口が開けにくい、お口を開けると音が鳴るなどの症状を呈します。
症状が悪化するとお口が開かない、痛くて食事が取れない、頭痛や肩こりがするなどの日常生活に支障を来たすまでになります。お痛みは症状によってその原因が違いますが、意外と多いのが筋肉のお痛みです。

人は、会話をしたり食事をするために顎を動かしますが、その場合、頭にぶら下がっている下顎が筋肉によって動かされて、いろんな運動を行います。無理な動きをしたり、オーバーワークが重なると筋肉も疲れてしまいお痛みとして感じるようになります。歯並びが悪いと上下の歯の接触関係が上手く行かず、顎の動きにも無理な動きが生じてきます。歯並びを改善することで、顎関節症を治したり予防することもある程度可能です。

顎関節症と歯ぎしりの関係

顎関節症の原因のひとつ 「歯ぎしり」

歯並びを改善することで、顎関節症を治したり予防することもある程度可能ですが、最近では、とてもきれいな歯並びをしている方でも、顎関節症をお持ちの方がいらっしゃいます。そのような方達は、夜、寝ている間に「歯ぎしり (ブラキシズム)」を無意識に行っている方が多いようです。過度な歯軋り(はぎしり)を行うと、眠っている間とはいえ、長時間に渡って、起きている間の数倍の咬合力で咬み続けているという報告があります。そのため、寝ている間に筋肉が疲労して、お痛みが出たり、関節に障害が生じたりことがあります。

歯ぎしりの原因と弊害

歯ぎしりの原因は今のところ判ってはいません。覚醒時(起きている時)に受ける多くのストレスを、寝ているときに歯ぎしりを行うことで発散しているのではないかとされています。 「咬む」という行為は人間の脳にとって快い刺激、即ち「快楽」です。歯ぎしりは脳にとっての生体防御反応のひとつとして位置付けられますが、歯ぎしりが過度に行われると歯が磨り減ってきたり、歯周病になったり、顎関節症をも引き起こします。

歯ぎしりと顎関節症の予防

歯ぎしりの予防法としては、

・日常のストレスを減らす
・ナイトガード(マウスピース)の夜間装着
・矯正治療による不正咬合の改善
・不良補綴(ほてつ)物の除去/悪い歯の詰め物の交換
・心理療法 などがあります。

顎に違和感をお持ちの方の中には、その痛みを確認するために頻繁にお痛みを探す作業をしてしまいます。 お痛みがあると、ある意味安心できて、ご自分でお痛みを何度となく誘発させてしまいます。 これはご自分で下顎を悪い位置に誘導して症状を悪化させるだけですので、 お痛みの確認作業はすぐにでもお止めになってください。 どの位お口を開ければ痛みが出るとか、左右どちらに動かすと音が鳴ったり痛みを感じられるとか・・・ご自身でそのポジションをご理解さてれいると思います。 極力そのポジションに顎を誘導しないようにしてください。 その位置に顎を持って行くことは、ご自身で顎関節症を引き起こしているからでもあるのです。

患者様によってお痛みの原因や症状が異なりますので 気になる時は顎関節症を見てもらえる歯科医院を受診されることをお勧めします。