監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
子どものあごの成長について紹介しています。毎日、子育て大変だと思いますが、子どもの歯やあごの成長の為にも、毎日の生活のなかで歯のケアを、是非行ってみてください。
公開日:2019/10/01 更新日:2020/08/28
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
目次
歯並びだけでなくあごの成長もチェックしましょう
子どもの歯並びと、あごの成長はとても関連が深いです。
それはなぜでしょうか?
人の歯は、あごの骨の上に並んでいます。そのため歯が並ぶ土台となるあごの幅や形によって、歯並びや噛み合わせが大きく影響をうけることがあります。
歯は大人になった後でも、矯正装置である程度の範囲で移動させることができますが、あごの骨の場合、成長が終わったら外科手術を行わない限り、形を治したり移動することはできません。
成長期であごの成長がコントロールできる子どものときに、あごが適切に成長しているかどうかを診察をして、必要に応じて専門の歯科医のもと治療を受けて正しい方向に導くことがとても大事です。
成長が終わったあと、あごの骨の変形や大きさの異常が原因で噛み合わせや歯並びが悪くなっている場合、あごの骨を切ったり、削って治療する「骨切り術」といった外科処置の併用が必要なケースもあります。将来の治療の負担をより少なくするために、小さい頃からあごの成長が適切かどうか注意してみてあげてください。
上あごと下あごの成長の違い
あごがきちんと成長しているかどうか判断するポイントは、上あごと下あごのバランスです。上のあごと下のあごは大きくなる時期が異なるため、うまく両あごの成長のバランスがとれないこともあるのです。
一般的に、上あごは先に成長し、そのあと身体の成長とともに下あごが成長してきます。
「最近、下あごが出てきて受け口になってきている」「下あごが成長していないようで、上あごばかり出っ歯のように飛び出ている」といった変化がみられた場合は、矯正歯科医院に相談することをおすすめいたします。
癖によるあごの成長への悪影響
指しゃぶりを普段している、ずっと口を開けたままいることが多い、頬杖や悪い姿勢でいることが多いなど、癖によっては後天的にあごの成長(と歯並びや噛み合わせ)に悪い影響を与える場合があります。
また、発音不良、良く噛めなくて食事が遅い、歯がなかなか生えてこないといったお口や歯、お口周辺のトラブルや悩みがある場合も、適切にあごが成長していなかったり、将来歯並びに悪い影響を及ぼすことがあります。一度小児歯科、矯正歯科に相談するとよいでしょう。
早期発見、早期治療のメリット
早期に発見ができれば、適切な方向へ成長をコントロールする治療や、悪い癖を改善する治療などの選択肢が増えることがあります。その結果、永久歯が適切に生えやすくなったり、歯並びが悪くなったとしても、抜歯を行わずに治療できる可能性があります。