監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
矯正歯科で使用される検査機器「セファロ(セファログラム)」について、ご紹介していきます。主に矯正歯科の歯医者さんで使用される頭部のX線写真を撮影する機器ですが、一般歯科や病院で使われるレントゲンとどうのように異なるのでしょうか?それはセファロだからこそ、わかることがあるからです。
公開日:2019/10/01 更新日:2020/05/11
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
目次
口の中の治療はとても繊細な作業を必要とします。口の中というのは肉眼で見ることのできない部分が多いです。そこで歯と歯の間や歯根、顎の骨をより詳しく調べるためにレントゲンが必要になってきます。
セファログラム(頭部X線規格写真)を使用する目的は顔面、頭部のレントゲン写真を正面そして側面から撮影し、矯正歯科治療を行うために分析・診断することです。また、経時的に撮影して骨格の成長の変化や歯の移動を観察します。ですから、矯正治療で一番重要な機器は、このセファログラム(頭部X線規格写真)でもあります。
矯正治療前の診断、矯正治療中(外科矯正治療前後)の状態確認、矯正治療終了後の確認など、 同じ規格で撮影したレントゲン写真があれば経時的にその変化が把握できます。 セファログラムは、X線の管球(X線発生装置でX線を作っている部分)から一定の距離に被写体をセットして規格レントゲン写真を撮ります。
セファログラムでは、「上下顎の大きさとそのズレ」、「顎の形」、「歯の傾斜角」、「口元のバランス」などについて判ることができます。
上の図は、術前後のプロフィログラムです。プロフィログラムは、セファログラムの主要な計測点を線で結んだ多角形の図です。術前・術後を重ね合わせた図からわかるように、セファログラムは、治療前の診断に必要なデータはもちろん、 術前・術後の重ね合わせでどのように歯が動いたか、顎骨の変化がどうだったかが比較できます。これは、規格X線写真だからできることです。セファログラムは、矯正治療を行うにあたって必ずと言って良いほど撮影されるものです。