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マイクロインプラントを使用した矯正治療
インプラント矯正で使用する矯正器具について
インプラント矯正とは、矯正用に作られたマイクロインプラントやミニスクリューといわれるチタン製の小さなネジを顎の骨に埋め込み、これを支点として(顎骨を固定源として)歯を引っ張って、移動させていく方法です。
歯根と歯根の間の顎の骨に、マイクロインプラントを埋め込む簡単な外科手術が必要ですが、歯が動くための支点がマイクロインプラントで固定されるので、歯がスムーズに動きやすくなります。従来の矯正装置のみを使った治療に比べて矯正期間を大幅に短縮できる症例もあります。
今までの矯正治療は、歯と歯で引っ張り合ったり(お互いの歯を固定源とする)、ヘッドギアなどの取り外しのできる(可徹式)装置を使用する必要がありました。これに対してインプラント矯正は、顎の骨にしっかり埋入したマイクロインプラントを固定源とするため、移動させたい歯のみを動かすことが可能になり、今まで動かせることができなかった方向に歯を移動させることが可能になりました。
インプラント矯正の様子
インプラント矯正2つの特徴
1. 動かしたい歯のみを移動することができる
・上顎前突(出っ歯)の治療では、側方歯を抜いて前歯を奥に下げる場合、前歯を抜いたスペースを全て前歯を下げることに使えます。従来の矯正装置のみを使った治療では、後方へ下げたい前歯と、固定源となる奥歯(臼歯)で綱引き(引っ張り合い)が起きるため、どうしても、奥歯も前方(近心)への移動を起こしてしまい、前歯が後ろに下がる後退量の減少が見られました。
・臼歯を後方に維持するための、「ヘッドギア」などの補助的な矯正装置を使用する必要がなくなりました。
2. 今までの治療法では動かせなかった方向に、歯を動かすことができる
・従来の矯正装置のみを使った治療は、歯と歯で引っ張り合うため、歯を動かせる方向に限界がありました。インプラント矯正では、様々な位置にマイクロインプラントを埋入することにより、より自由な方向に歯を移動することが可能です。
・歯列を歯が存在しない遠心(後方)方向に動かすことが可能になりました。
(非抜歯矯正の適応範囲の拡大)
・歯を歯根方向に動かすこと(圧下)が容易になりました。前歯の圧下(ガミースマイルの改善)、 臼歯の圧下(開咬の改善) 等
※インプラント矯正のような、顎骨を固定源とする矯正(スケルタルアンカレッジシステム)には、マイクロインプラントなどのネジの形をした「ビス型」と、薄いプレート状になっている「プレート型」の2種類があります。
上下顎前突(出っ歯)をインプラント矯正(矯正器具)で治療した例
上の写真は上下顎前突(出っ歯)の治療写真です。レントゲン写真や横から撮影した治療前の口腔内写真からわかるように、上顎と下顎の歯それぞれが前に出ていて、口元が前に突出しています。
犬歯(糸切り歯)の奥側にある小臼歯を、上下2本ずつ計4本を抜歯した後、上顎の裏側に埋入した2本のマイクロインプラントと、ハーフリンガル(上顎を裏側矯正、下顎を表側矯正する方法)で治療しました。
治療開始から1年8か月で、前歯の突出が改善されて自然な口元になりました(写真右列)。矯正用のインプラントを固定源として使用することにより、通常は外科手術が必要な難しい歯の移動も可能になり、治療期間も短縮されました (治療期間:20ヶ月)。
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資料提供
恵比寿エスト矯正歯科