外科矯正が必要な症状とは

上顎と下顎の骨の位置や形、大きさが原因でお顔が変形している顎変形症[がくへんけいしょう]や、顎自体が抱える問題による不正咬合は、外科矯正が望ましいです。

公開日:2019/10/01  更新日:2019/11/25

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目次

  1. 外科矯正[げかきょうせい]での治療が望ましい症状
  2. ■主に顎変形症など顎自体に問題がある症例の治療に適応されます
  3. 画像で見る
  4. ■外科矯正の流れ
  5. ■保険適用の条件とは
  6. ■保険適用できないケースとは

外科矯正[げかきょうせい]での治療が望ましい症状

■主に顎変形症など顎自体に問題がある症例の治療に適応されます

外科矯正は、外科手術と矯正治療を併用する治療方法です。
上顎と下顎の骨の位置や形、大きさが原因でお顔が変形している顎変形症[がくへんけいしょう]や、顎自体が抱える問題による不正咬合は、矯正装置の治療のみで改善することは難しいです。このような症例の多くは、骨格的な改善が必要になるため、外科手術と歯列矯正を併用した治療を行う場合があります。

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※外科矯正の適応と治療効果は患者様によって個人差があります。

■外科矯正の流れ

外科矯正の一般的な治療の流れは、1.術前矯正(歯科医院)→2.外科手術(口腔外科等)→3.術後矯正(歯科医院)→4.保定(歯科医院)の順に行われます。

・外科矯正は、顎の骨を切って動かす「骨切り手術」を行う大学病院等の口腔外科と、歯列矯正を行う矯正歯科が連携して治療を行います。
・外科手術を行う前に歯並びを調整する「術前矯正」は、外科手術後に顎の位置が変わることを考慮して治療をするため、一時的に歯並びが悪くなる方向へ歯を動かすことがあります。

■保険適用の条件とは

外科矯正が保険適用になる条件は、下記の指定症状と診断され、且つ、厚生労働省が定めた「顎口腔機能診断料」の施設基準を満たした医院(顎口腔機能診断施設)で、指定された矯正治療をうける場合に限ります。

1.顎変形症など指定症状
 ・上顎前突症…上顎が前に出ている症状
 ・上顎後退症…下顎が極端に小さい
 ・下顎前突症…受け口のこと
 ・下顎後退症…上顎が極端に小さい
 ・開咬症…上下の前歯が閉じない
 ・その他、顎骨非対称症例等、厚生労働省が定める疾患(唇顎口蓋裂や鎖骨頭蓋異骨症など)に起因した咬合異常外科手術
2.外科的手術をする事
3.育成更生医療指定機関・顎口腔機能診断施設で表側(頬側)装置で治療すること

■保険適用できないケースとは

「保険適用の条件」にあてはまらないケースは、全額自費での治療となります。
・指定された医療機関以外での治療
 形成外科、美容外科、外科矯正の保険治療を行っていない医療機関での治療は適応外です。
・指定症状以外の治療 … 容貌の美化、美容目的などは適応外です。
・矯正装置以外での治療 … 裏側(舌側)矯正装置で治療することは適応外になります。