監修医師
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
Eラインとは横顔の鼻先と顎先を結んだ線のこと。出っ歯や受け口などの歯並びとEラインは深く関連しています。ここではEラインの定義や歯並びとの関係性、非抜歯矯正について詳しく解説しています。歯列矯正で憧れのEラインへ。横顔美人を目指したい方はこちらの記事をご覧ください。
公開日:2020/01/14 更新日:2021/09/10
歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。
目次
横顔の写真において鼻先と顎先を直線で結んだ線のことを「Eライン」または「エステティックライン」といいます。アメリカの矯正歯科医であるロバート・リケッツ氏により提唱された言葉で、横顔の美しさを表す指標として歯科や美容医療の分野で広く用いられています。上下の唇はEラインに触れずに、少し後ろの位置。下唇がEラインより2mm後方、上唇は4mm後方に位置するのがベストバランスであるとされています。
日本人の理想的なEラインとは?
横顔美人の黄金比「Eライン」の定義はわかっていても、欧米人と比べて鼻筋が低めの日本人には不利ではないでしょうか。日本人は顔の彫りが浅く、前後的に凹凸が少ないので、ロバート氏が提唱しているEラインを得ることは難しいのです。そのため日本人には「Eラインと上下の唇の先端が接した状態」を好ましいとする考え方もあります。横顔の美しさに対する基準は人種や国籍によって若干異なるという訳です。
では次に、「歯並びを整えるとEラインは改善するのか」という疑問について。結論から言うと、出っ歯や受け口でお悩みの方は矯正治療で歯が移動することによりEラインが改善する可能性があります。歯並びとEラインは関連しているため、歯列矯正を行うことで同時にEラインも整うという訳なのです。
例えば、出っ歯の方は唇の先端がEラインよりも前に出ており、口元が前に突き出て見えます。このようなケースでは前歯を後方に引っ込めることで口の突出感も整います。唇側に傾斜していた前歯を正しい位置に戻すことで唇が閉じやすくなり、キュッと引き締まった表情に。
また、受け口(しゃくれ)の方は下顎が前方へ突き出し、咬み合わせが逆になっている状態です。顎の骨の大きさに問題がある場合は、矯正治療と並行して外科手術を行い、長い下顎の一部をカットすることで理想的なEラインに近づけることができます。
ただし、噛み合わせや歯並びの状態によってはEラインの改善が難しい場合があるということ、そしてEラインは必ずしも歯列矯正のみで改善されるわけではないということを覚えておいてください。例えば、歯並びや噛み合わせに問題がないのに唇の位置がEラインよりも前にあるケースでは、鼻の高さやお顔の骨格がEラインが崩れる原因となっている場合があります。こちらのケースは美容整形の領域となり、歯科治療での対応は難しいことも理解しておきましょう。
時には抜歯が必要なことも
歯を抜かずに歯を並べることを「非抜歯矯正」といいます。歯を抜かずに治療ができればそれに越したことはありませんが、場合によっては抜歯を選択したほうが顔の見た目も噛み合わせも満足のいく仕上がりになることがあります。
日本人は口元がEラインからはみ出している傾向が高いので、歯並びの状態によっては抜歯をせずに歯を並べると「口元もっこり」の状態になる可能性があります。歯を抜かずに無理に歯を並べようとすると、前歯が前方に傾斜して口が閉じにくくなったり、出っ歯に見えてしまうことがあるほか、治療後に後戻りしやすいことも。これではいくら歯並びや噛み合わせが整っても仕上がりに不満が残ってしまう結果となってしまうでしょう。必ずしも非抜歯矯正が優れている訳ではないのです。
抜歯が必要か否かは治療開始前の精密検査で判断します。抜歯をして矯正するか否かは患者さんの同意を得て行われます。カウンセリング時には抜歯の有無やリスクについてもしっかりと確認しておきましょう。
上記にてEラインと歯並びの関係性について解説しましたがいかがでしたでしょうか。歯並びが整うと横顔がスッキリ。憧れのEラインも夢ではありません。
さらに歯列矯正は歯並びだけでなくお顔の輪郭や健康面、アンチエイジング効果も期待できます。噛み合わせが整いしっかり噛めるようになると、口元の筋肉のバランスも整います。左右の歯でバランスよく噛めるのでお口周りの筋肉が鍛えられてリフトアップ。ほうれい線が目立たなくなり、頬が引き締まることもあります。そのほか、長年の口元のコンプレックスが解消されて自信が持てる、発音がクリアになる、しっかり噛めて唾液も増えてお口の中が潤うなど、歯並びを整えることで得られるメリットは多いのではないでしょうか。
歯列矯正は歯並びや噛み合わせの改善だけではなく、審美面の回復も大きなテーマのひとつ。美容整形とは少し異なる「ナチュラルな美しさ」を引き立てることができます。健康美人を目指す方は、歯列矯正がお役に立てるかもしれません。一度歯列矯正をお考えになってはいかがでしょう。
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