「装置が自分で取り外せる」、「透明で目立たない」ことから、
新しい選択肢として1998年頃から普及している
マウスピース矯正の"いま"をご紹介します。
- ワイヤーやブラケットを使わない透明素材の矯正装置
- マウスピース矯正は、取り外しのできる透明なマウスピースを患者様の歯並びに合わせ段階的に取り変えながら歯並びの治療を行う、矯正治療の中でも新しい治療方法です。ここではアメリカにあるアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正についてご紹介しています。
- 海外との違い
- 従来、日本で行われる「マウスピース矯正」は、症状の軽い歯並びを整える際に使用したり、ワイヤー矯正である程度整えてから仕上げに使用するケースが多いです。 マウスピース矯正を使用した歯列矯正は、歯科大学のカリキュラムや卒後研修プログラムに入っていないため、難しい症例で単独で治療ができるほどの技術と教育体制が確立していないのが現状です。このため、マウスピース矯正をメインで行っている歯科医院は、現状ほとんどありません。
▲透明で外せるマウスピース矯正装置
- 適応症例拡大に向け改良を重ねた欧米のドクター
- その一方で、1998年にアメリカでは導入が開始され、マウスピース矯正の開発が進み、治療に積極的に取り組む先生が多かったことからその技術が飛躍的に進歩していました。簡単な症例から難しい症例まで、治療が可能であるという報告が増えるにつれ、ワイヤー矯正と比べたときのメリットも多くあるということが徐々にわかり、マウスピース矯正の応用力が広く認識されていきました。現在、世界でマウスピース矯正の治療を受ける患者数は500万人を超えているといわれています。(2018年1月時点)
▲マウスピース矯正のヨーロッパサミット(イタリア)
- 日本での難症例への取り組み
- 最近では、日本でも抜歯をした症例や、従来ワイヤー矯正でないと難しいといわれていた症例も対応できるようになってきています。本郷さくら矯正歯科の尾島先生は、2012年からドイツの先生に師事しながら、自らも研究を進め、習得した知識・技術を日本に持ち帰り、マウスピース矯正を使用した難症例の治療件数を重ねています。「現在では、ワイヤー矯正で対応できる症例のほとんど対応できるようになってきている。」と尾島先生。「全国の患者様が症例に左右されずにマウスピース矯正ができるようになってほしい」との思いから、定期的に矯正ドクター向けのセミナーを開催しています。
- 歯の移動を事前にシミュレーションして仕上がり予測
- 装着方法、
取り外し方を丁寧に説明 - 院長はドイツで
患者として治療も経験
どんな装置でも大切なのは患者様の心と歯科医師の姿勢です(尾島先生)
矯正治療は人生において、歯を大事にしようと思う教育の時間だと考えています。
私たちは、自分自身もワイヤー矯正やマウスピース矯正を体験しています。だからサポートできるのです。
マウスピース矯正で最も重要なことは、「やる気・頑張る気持ち」です。
私たちは、自分たちも経験していることをふまえ、患者様の気持ちを理解しながら応援しています。
歯の移動を共に喜び、ゴールに向かって一緒に頑張るパートナーだと考えています。患者様ご自身がやる気になったときが矯正を行うベストな時期だと思います。患者様と矯正歯科医師は長いお付き合いになりますから、信頼できる医院をえらびましょう。
- 種類・メーカーによっても特徴・適応範囲は異なります
- マウスピース矯正はメーカーによって色々な種類が取り扱われています。また、歯科医院独自でマウスピース矯正装置を作っているケースもあります。このため一言でマウスピース矯正といっても、種類によって適応できる症例やメリット、デメリットが異なるため、医院ごとに説明を受けることをお勧めいたします。
ここでは、尾島先生が使用している米国アライン・テクノロジー社のマウスピース矯正の特徴をご紹介します。
- メリット
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- 装置の見た目が気にならない
- 取り外しできて歯のお手入れが簡単なので、
虫歯や歯周病のリスクが軽減 - ワイヤーによる従来法よりも痛みが軽減
- 抜歯を行う症例でも対応が可能
- 治療後までデジタルでシミュレーションしているので、より良い噛み合わせにむけた治療計画が立てられる
- 注意点
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- 他の装置と同様に歯磨きをきちんと行う必要がある
- 装着時間を守らないと治療が進まない
- 歯科医師によって技術の差が大きい
- 実際に矯正治療をした経験から患者様本位の治療を目指す
- 私は2回矯正治療を受けた経験があります。1回目は、私自身が20代で受けたワイヤー矯正。治療期間の3年間、痛みや不快感に「辛い」と感じたこともありました。20年後、40代でマウスピース矯正を試したところ、痛みや不快感が少なかったので、患者様に対しても、出来る限りマウスピース矯正での治療を心掛けていました。ただし、マウスピースを導入した当初は、「メリットが多いが、マウスピース矯正は少しの歯の移動しかできない。」と思っていました。
- 海外でマウスピース矯正の可能性を実感
- あるとき、海外の矯正歯科の学会に参加した際に、日本だったらワイヤー矯正で治療するような複雑な症例をマウスピース矯正で治療している事例に出会いました。
「こんな複雑な症例でも治療が可能であれば、日本でもっと多くの患者様にマウスピース矯正での治療を提供できる!」と思ったのが、マウスピース矯正に取り組もうと思ったきっかけでした。
2007年より、日本はアライン・テクノロジー社の米国式マウスピース矯正装置が導入されました。ドイツでは、2001年より開始されていました。日本よりも6年も早く導入され、多くの臨床例があるドイツやアメリカに足を運んでは技術の修得に専念しました。
マウスピース矯正について深く学べば学ぶほど、ワイヤー矯正と比較したときのメリットを多く発見しました。
今後は、さらに患者様のために、マウスピース矯正に真摯に取り組み、これまでの経験で得た技術や知識を広めていきたいと思います。
- 矯正治療のはじめの一歩は「相談」から
- 相談、カウンセリングというと、どうしても「堅苦しい」とか「勇気を持ってこなければいけない」と構えてかもしれませんが、かしこまった準備はいりません。
ざっくばらんに、「自分の歯並びはどうでしょうか?」「マウスピース矯正ってなんでしょう」と、気軽にお話に来ていただければと思います。
まずは、「できるかな?」「抜かないといけない?」「痛い?」など不安に思う状態から、一歩前に出られる機会にしていただければと思っています。
- 治療期間が長い歯列矯正の患者様に配慮した方法を
- 治療のことを「知る」「知らない」で今後の方向性が大きく違ってきます。
カウンセリングを受けることでご自分がこの治療をできるのか、できないのかがわりますし、「知る」ことで治療への考え方も大きく変わっていきます。
マウスピース矯正に限らず、歯列矯正は、歯並びによっては、短期に治療が終わる方もいますし、長くかかる方もいます。当院のマウスピース矯正の良いところは、シミュレーションで治療経過とゴールがわかることです。このため、長い治療期間が必要な方でも、不安や負担を感じずに治療する方が多いです。
- スタッフみんながマウスピース治療をしています!
- 当院のスタッフは全員がマウスピース矯正を受けていますので、治療を受ける患者様の気持ちは全員がわかっています。お帰りいただくときも自然と「がんばって下さい」とスタッフみんなでお声掛けしています。楽しく明るくポジティブに治療を進めていきましょう。