小児矯正のよくある間違いと真実
小児矯正のよくある間違いと真実について説明します。
公開日:2019/10/01 更新日:2020/04/24
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目次
1. 小児矯正をすれば永久歯のワイヤー矯正はいらない?
患者様:「針金の矯正装置をつけさせるのはちょっと子供がかわいそうだから、早めに矯正治療を始めれば取り外しの装置だけでキレイになるのでしょうか・・・」
回答:小児矯正はあくまで本格矯正の準備です。点数にしたら70点くらいまで持っていく治療です。これは合格点であって満点ではありません。
この合格点とは、学校検診で歯並びにチェックが入らない程度です。通常は100点まで行くためにはワイヤー矯正治療が必要となるケースが少なくありません。
つまり、小児矯正のみでは完璧を目指すことは難しいという事です。
2. 小児矯正から始めると早く治療が終わる?
患者様:「中学受験もあるから負担にならないようできるだけ早く治療を終わらせたいのですが・・・」
回答:子供の歯の生え替わりが完了するのは12歳~14歳頃です。そこまで歯並びは変わり続けますから、小児矯正の多くは小学校~中学校前半くらいまで管理します。
またその後、本格矯正に移行するとさらに2年弱の期間がかかります。結局は歯の生え替わりの時期は決まっていますから、本格矯正の最短ゴールは15歳前後と決まっています。早めに始めるとその分治療管理期間は延びます。
3. 小児矯正をすれば永久歯を抜歯しなくてよい?
患者様:「歯を抜くのだけは絶対抵抗があるから、成長期の矯正治療でなんとかしたいのですが・・・」
回答:小児矯正治療を行っても、抜歯を併用した本格矯正治療を行うパターンになる場合はあります。
そのパターンは、
・歯がかなり大きい
・前歯が前に倒れて出ている
これらの症状がある場合は、非抜歯の小児矯正で改善するのは難しいでしょう。
本格矯正時に抜歯を併用してそのスペースを利用して、歯を並べたり前歯を後ろに下げたりします。100%非抜歯矯正という矯正治療は残念ながら存在しません。
4. 小児矯正とは床矯正をすることである?
患者様:「うちの子供も近所の子がやっている取り外し装置だけでアゴを広げる矯正治療をやりたいのですが・・・」
回答:床矯正装置は主に歯並びを外側に広げる装置です。主目的は足りない前歯の歯並びのスペースを確保する事です。
ですから、症状によっては他の矯正装置が適応のお子様もいます。
悪い歯並びとはスペースが足りないデコボコだけではなく、出っ歯や受け口、開咬など他にも様々あるからです。
また、この床矯正装置の効果が出やすいのは乳犬歯という歯が抜けるまでです。
この時期が早い子で9歳くらいですから、小学生の早い時期でないと床矯正治療の効果は少ないとも言えます。
インターネットや知人のお話は限られた情報ですから、誤った情報の可能性も高いことがあります。わからない場合はご自身で判断せず一度専門家にご相談下さい。
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